Mackerel CREチーム ディレクターが育休復帰3ヶ月でやったこと

Mackerel Advent Calendar 2024 2日目の記事です。

こんにちは。Mackerel CREチームのディレクターをしている id:missasanです。 ちょうど昨年のこの日は土曜日で、週明けからは産休前に有給をつかって一週間ほど前倒してお休みすることになっていました。前日の12月1日まででかいお腹でオンラインの商談に出たりしていて、今改めてカレンダーを眺めるとあの体調でこれやってたのだいぶ気合入ってたな、と我ながら感心してしまいます。あれから一年経つのかと思うととても感慨深いです。生まれた子どもも、もうすぐ1歳です。

そして今は無事復帰して再び働いているのですが、ここでは2024年9月に職場復帰してから11月までの3ヶ月でどんな仕事をしていたのかを振り返ってみます。 各社さまざまな活動をしているCREの、さらにディレクターということで少しばかりレアな職業ですが、ちょっと覗き見してやろうくらいの気持ちでお読み下さい。

9月:10周年記念イベント(Mackerel Tech Day)プロジェクト

復帰してはじめに取り組んだのは10月22日に開催されたMackerelのオフラインイベントでした。 復帰直前の上司との1on1でも何から始めましょうか、というのは相談していて、運営メンバーが大変そうだからまずは手伝ってほしいということでこのプロジェクトに入りました。

www.youtube.com Mackerel Tech Dayの様子はYoutubeアーカイブも公開しているので、ぜひ年末年始、帰省の移動中のお供などに聞いてみてください。

CREのメンバーがコアの運営メンバーとして動いていて、イベントの企画から関連するコンテンツの制作、集客までさまざま担当していました。 私は、企画やタスクの交通整理や、細かく発生する意思決定の後押しなどをしていました。

イベント当日は、X投稿担当をしていました。

イベントの盛り上げ記事として、CREメンバーで座談会をしたブログ記事も出しました。 運営に参加するメンバーの思いがたくさん聞けたいい機会でした。

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次はランチタイムのオンラインイベントやるよ

connpassを公開していないので、詳細がまだお伝えできないのですが、12月半ばにオンラインイベントを企画しています。 Mackerel Tech Dayで登壇予定だったのが体調不良で不参加になってしまったプロデューサーのid:wtatsuruと、その代打として急遽登壇をまかされたTLのid:ne-sachirouとMackerel Tech Dayを振り返る会をやります。ランチタイムにながら聞きできるものになる予定です。

10月:Mackerelの価格改定に伴う契約見直しのプロジェクト

Mackerelでは、11月1日におおきな価格改定がありました。

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イベントのお手伝いが落ち着いた後は、11月1日の価格改定にむけて、既存のお客さまにご提供している特別契約の見直しを行うプロジェクトにフォローとして入りました。 もともとこのプロジェクトは、開発、ビジネス、CREのメンバーが集まって進められていたのですが、いよいよ11月1日が迫ってきてスピード感を出したいということもあり、私も参加してまたも交通整理やお客さまへのご連絡を一部巻き取ったりしてお手伝いしていました。お客さまにもご協力いただき、無事に11月1日を迎えることができました。

11月:新規機能開発に関わるさまざまなプロジェクト

11月に入り、価格改定の作業も落ち着いてきた頃、今度は新機能開発に伴うあれこれに着手し始めました。 もともと、これこそが今期の最優先トピックでもあったのですが、イベントや価格改定があり、復帰2ヶ月経ってやっと本腰を入れ始められたというところです。

Mackerel Tech Dayでも触れていたのですが、現在MackerelはAPM機能の企画開発に取り組んでいます。 最近のOpenTelemetryへの対応やVaxilaの利用開始なども含めた、オブザーバビリティプラットフォームを目指すという、この規模の大きい意思決定は、私が入社してからだと、2019年のmackerel-container-agentの開発とそれに伴うマイクロホスト概念の誕生、同じ年の機械学習によるロール内異常検知などが思いあたります。 当時も、Mackerelの新しいコンセプトの理解、機能の理解、お客さまに説明するための資料作成、機能のβ版利用に向けた申込み方法の整備など、やることがたくさんあったことを覚えています。

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Mackerelが大きく変化するとき、それをお客さまに伝えていくCREの仕事も大きく変化したりミッションが変わったりします。ようは「出番が増える」ことになります。これが個人的にはとてもワクワクします。復帰していきなりこの状況に身を置けるのは幸せなことです。

実際に手をつけているのは以下のようなことです。

KPIや活動方針の見直し

新機能開発は不確実がことが多いです。特にお客さまとやりとりするCREは、不確実ながらも先を見据えて進む必要があります。まずは今期、とにかく先に進むための軸になるようなKPIや活動方針を整理しました。すでに復帰前に設定された目標はありましたが、あらためて精緻化したりどう解釈して進めるのかをメンバーと話し合ったりしました。

ユーザーインタビューの企画

不確実なことが多いですが、それをただ待つだけじゃなく、開発チームと一緒に解像度を上げていく仕事もしています。

プロダクト企画の詳細を詰めるためには、実際にお客さまの声を聞いて、解決したい課題がなんなのかを分析していく必要があります。 インタビューはPdMがメインとなって進めますが、ペルソナを精査してインタビュー先を検討したり、インタビュー項目を作成したり、お客さまに実際にインタビューをお願いするところはCREも入って進めています。プロダクトとお客さまの橋渡しであるCREならではの仕事です。

Mackerel オブザーバビリティホワイトペーパーをつくる

というお題目でプロジェクトを進めていますが、アウトプットがほんとうにホワイトペーパーの体裁を取るのかはまだわかりません。 プロダクト企画の中ででてきたメッセージングなどを拾って、お客さまに届きやすい形に再構成するというところをCREが旗を振りながら進めています。 ホワイトペーパーにするならこれを書きたい、という項目を出し、足りないところはプロデューサー、PdM、開発者などにヒアリングしながら内容を埋めていっています。 これが最終的には、CREやフィールドセールスがお客さまにMackerelが考えるオブザーバビリティや、MackerelがつくるAPMがどういうものなのかを説明するためのひとつのベースになっていくと考えています。

APMに関する利用実態調査アンケートの企画

企業のAPMに関する課題や期待を調査するためのアンケートを準備しています。ここで得られた情報はよりよいプロダクト開発やサービス改善に活かしていく予定です。こちらも近日中に公開予定なので、もしお手元にアンケートのお願いが届いた際はご協力をいただけるとうれしいです。

Mackerel APMの「ちょうどいい」を定義しよう

MackerelはいわばAPMの分野においては後発隊です。今から開発してAPMに期待されるすべての機能を揃えていくにはそれなりの時間がかかると予想されます。なので、今のMackerelやMackerelのお客様にとっての「ちょうどいい」ものとはどういうものなのか、というのをみんなで考えていくという少し抽象度の高い活動を、直近開発する具体的な機能の企画と並行して行っています。これもPdMの id:RyuGoo と一緒に、ワークショップの企画などを進めています。チームで丁寧に対話を進めながら抽象的な概念に共通の像を結んでいくような、チームビルディングとしての役割もある活動になると思っています。

おわかりでしょうか。CREは普段お客さまをサポートする仕事、と思われることも多いですが、このようにPdMの仕事を一部担うようなことも、お客さまとのやりとりと並行して、ばりばり行っています。 特に新機能が開発されるシーンでは際立ってその傾向が顕著になります。

結局、何をしていたのか?

こうして振り返ってみて、結局自分はこの3ヶ月CREチームのディレクターとしてどういう役割を担っていたのか?ということを考えてみました。

まず感じたのは、私の仕事は概ね「交通整理」と「考える仕事」に集中しているな、ということです。そしてこれは、だいぶうまくいっている状態だと思っています。

産休に入る前は、ディレクターと言いながら、かなり現場仕事にも手を出しつつ、一緒に走ってくれるメンバーのすぐ横にびったりひっついて伴走する、みたいな動きをしていました。というかしてしまっていました。「してしまっていた」というニュアンス通り、これはあまりよくなかったと思っていて、思いつつ改善できずに苦しんでいたところでした。マネージャーが現場から手を離せられないという典型例だったと思うし、手伝っているようでメンバーの自由を奪う足かせにもなっていたんじゃないかと思っています。今もそのけが完全になくなったとは言えませんが、それでも、前よりかは改善しているんじゃないだろうかと思います。

それにはやはり産育休で無理やり仕事を剥がされたというのが大きくて、もしかすると私の思いで無理に形を変えることになっていたかもしれないものが、メンバーが動きたいように動いた結果おさまりのよい形になったような部分が少なからずあるんじゃないかと思っています。 今はその形を大事にしつつ、チームのために自分こそがやったほうが良いことを見つけたり、進めるたりというのをなるべく意識してやっていきたいです。

結果、今私には、関係者が多かったりタスクが複雑なプロジェクトの「交通整理」をしてまたメンバーに戻す仕事や、目に見える成果より、目に見えなかったり、長期的な効果があるようなことを「考える仕事」が残ったし、これをやるべきなんだな、と最近は思っています。

ちなみに、以前自分の記事で書いた図でこんなものがあります。この中のtoBの部分がMackerelのCREの主な仕事です。CREチームのディレクターである自分は今ここを全然やっていません。 通常の業務として設計されて、チームメンバーがごりごり進めてくれています。それによって私はほんとうに上に書いた2つに集中できています。チームメンバーに感謝でいっぱいです。

https://developer.hatenastaff.com/entry/2020/10/30/093000 より

この図を書いたのもだいぶ前になってしまったので、今は変わってきていることがないかなども考えたいですね。

CREは仲間を探しています

最後つい、宣伝で締めたくなってしまうのですが、CREは仲間になってくれる人を探しています。 APMの利用経験があったり、オブザーバビリティに関心がある方とお話したいです。 気になった人はぜひお声がけください。XのDMも歓迎です。

hatena.co.jp

明日の Mackerel Advent Calendar 2024 は同じくCREの id:do-su-0805 の記事です。お楽しみに。